【令和2年分 確定申告】新型コロナウィルスに関する税制上の措置など

【令和2年分 確定申告】新型コロナウィルスに関する税制上の措置など

記事作成者:税理士 林 正和(東京都 板橋区) 公開日:2020年12月18日

新型コロナウィルスに関する確定申告の税制上の措置等について税理士が解説します
新型コロナウィルスに関する確定申告の税制上の措置についてについて教えてください。
また、1人10万円の特別定額給付金持続化給付金感染拡大防止協力金の税務上の取扱いについて教えてください。
新型コロナウイルス感染症等の措置の影響に対応するため、確定申告の税制上の措置として、寄付金控除と住宅ローン控除に関する措置が設けられました。

(1) 文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用
(2) 住宅ローン控除の適用要件の弾力化
(3) 住宅ローン控除の適用要件の弾力化に係る申告手続

また、1人10万円の特別定額給付金は非課税となり、持続化給付金、感染拡大防止協力金は収入金額に算入します。

それぞれの概要は次のとおりです

(1) 新型コロナウイルス感染症等の措置の影響に対応するための法律(新型コロナ税特法)等が新たに設けられました。

① 文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用

 ⇒ 文化芸術・スポーツイベント が中止になった場合に、チケットを払い戻さずに寄附をすることにより、寄附金の所得控除または税額控除を受けることができます。

② 住宅ローン控除の適用要件の弾力化

 ⇒ 入居期限要件の緩和措置が設けられました。

③ 住宅ローン控除の適用要件の弾力化に係る申告手続

 ⇒ 上記②の「住宅ローン控除の適用要件の弾力化」の取り扱いを受けるためには、確定申告書に一定の書類を添付する必要があります。

(2) 1人10万円の特別定額給付金や持続化給付金、感染拡大防止協力金の税務上の取扱い

① 特別定額給付金

 ⇒ 非課税となります。そのため申告の必要はありません。

(2) 持続化給付金、感染拡大防止協力金

 ⇒ 収入金額に算入されます。

それでは順に見ていきます

(注) それぞれの特例の説明については、国税庁のホームページを参考にこれを加工してできるだけ分かりやすく作成しています。そのため割愛している部分もあります。より詳しい内容をご覧になりたい場合は次のリンクから国税庁のホームページをご確認ください。

国税庁 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置

文化芸術・スポーツイベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した観客等への寄附金控除の適用

(参考:文化庁 チケットを払い戻さず「寄附」することにより税優遇を受けられる制度)

(出典:文化庁ホームページ

概要

① 寄附金の所得控除

寄附金控除は、納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、特定寄附金を支出した場合に所得から控除できる制度(所得控除)です。

寄附金控除について次の記事で解説しています。

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② 寄附金の税額控除

政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。

新型コロナ税特法等

新型コロナ税特法において、観客等が一定の行事の中止等により生じた入場料金等の払戻請求権の全部または一部の放棄を令和2年2月1日から令和3年12月31日までの期間内にした場合には、観客等がその年のその期間内において放棄をした部分の入場料金等の払戻請求権(一定のものを除く)の価額の合計額(最高 20万円)について、寄附金控除の対象(所得控除・税額控除)とすることとされました。

手続き

この特例の適用を受けるためには、放棄をした翌年の確定申告において、原則として、確定申告書に次の書類を添付する必要があります。そのため、主催者からこれらの証明書の交付を受ける必要があります。

① 指定行事認定証明書(指定行事に該当することその他一定の事実を証する書類)の写し

② 払戻請求権放棄証明書(放棄をした入場料金等の払戻請求権の価額その他一定の事実を証する書類

関連サイト

クリックするとそれぞれのサイトが開きます。

文化庁
新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応

スポーツ庁
新型コロナウイルス経済対策 スポーツ団体・個人向け支援策・お問合せ一覧

住宅ローン控除の適用要件の弾力化

概要

(1) 住宅ローン控除

住宅ローン控除は、住宅ローンを借りて住宅の取得等をした場合において、その取得等の日から6か月以内に居住の用に供するなど一定の要件を満たしたときは、原則として毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税等から控除する制度です。

住宅ローン控除について次の記事で解説しています。

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(2) 消費税率が10%の場合

消費税率10%が適用される住宅を令和2年12月31日までに取得等をした場合には、控除期間を13年間に延長する特例措置(建物購入価格等の消費税率2%分の範囲で減税)が設けられています。

新型コロナ税特法等

今般の新型コロナ税特法においては、上記の住宅ローン控除の適用要件について、次の弾力化が設けられました。

(1) 中古住宅を取得した後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行った場合の住宅ローン控除について

新型コロナウイルス感染症やそのまん延防止のための措置(以下「新型コロナウイルス感染症等」といいます。)の影響によって工事が遅延したことなどにより、その住宅への入居が控除の適用要件である入居期限要件(取得の日から6か月以内)を満たさないこととなった場合でも、次の要件を満たすときは、その適用を受けることができます。

① 一定の期日(注)までに、増改築等の契約を締結していること

② 増改築等の終了後6か月以内に、中古住宅に入居していること

③ 令和3年12月31日までに中古住宅に入居していること

(注)中古住宅の取得をした日から5か月を経過する日または新型コロナ税特法の施行の日(令和2年4月30日)から2か月を経過する日のいずれか遅い日

(2) 住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置について

上記(1)と同様に、新型コロナウイルス感染症等の影響により、控除の対象となる住宅の取得等をした後、その住宅への入居が入居の期限(令和2年12月31日)までにできなかった場合でも、次の要件を満たすときには、その適用を受けることができます。

① 一定の期日(注)までに、住宅の取得等に係る契約を締結していること

② 令和3年12月31日までに住宅に入居していること

(注)新築については令和2年9月末、中古住宅の取得増改築等については令和2年11月末

関連サイト

クリックするとサイトが開きます。

国土交通省
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた住宅取得支援策について

住宅ローン控除の適用要件の弾力化に係る申告手続

概要

住宅ローン控除の適用を初めて受ける方は、確定申告の際に住宅ローン控除の計算明細書などの必要書類を確定申告書に添付して税務署長に提出する必要があります。

上記で解説した「住宅ローン控除の適用要件の弾力化」がなされた住宅ローン控除を受ける方は、これらの書類に加えて、「住宅ローン控除の適用要件の弾力化」のケースに応じて、それぞれ次の書類を確定申告書に添付する必要があります。

添付書類

上記 「(1) 中古住宅を取得した後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行った場合の住宅ローン控除について」のケース

・入居時期に関する申告書兼証明書(既存住宅の取得後増改築等を行った場合用)

この書類は、取得した中古住宅に取得から6か月以内に入居できなかった事情が新型コロナウイルス感染症等の影響であることを明らかにする書類であり、ご自身の申立書と建築業者等から交付を受ける証明書とを兼ねたものとなっています。

上記「(2) 住宅ローン控除の控除期間13年間の特例措置について」のケース

・入居時期に関する申告書兼証明書(控除期間13年間の特例措置用)

この書類は、控除期間13年間の特例措置の適用の対象となる住宅に令和2年12月31日までに入居できなかった事情が新型コロナウイルス感染症等の影響であることを明らかにする書類であり、ご自身の申立書と建築業者等から交付を受ける証明書とを兼ねたものとなっています。

※ これらの申告書兼証明書については、国土交通省が定めた様式を国税庁ホームページにおいて掲載しています。

入居時期に関する申告書兼証明書

給与所得者の場合

給与所得者の方は、適用2年目以降の各年分の所得税等について、年末調整によってこの控除を受けることができます。

年末調整によってこの控除を受けようとする場合には、次の書類をを給与支払者に提出してください。①と②は1枚になっています。

① 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 兼 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書

② 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書

③ 住宅ローンの年末残高等証明書

特別定額給付金や持続化給付金、感染拡大防止協力金の税務上の取扱い

1人あたり10万円の特別定額給付金

特別定額給付金については非課税となるため、申告の必要はありません。

持続化給付金、感染拡大防止協力金

持続化給付金、感染拡大防止協力金については収入金額に計上する必要があります。

ただし、収入の減少や各種経費の支払などによって、給付金や協力金の支給額を含めてもなお赤字となる場合には、課税所得は生じません。

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